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うさぎの病気

うさぎの生理学

出生時体重 30~50g(中型種)
妊娠期間 29~35日間
体温 38.5~40.0℃
心拍数 130~325/分
呼吸数 32~60/分(安静時)
血圧 最高 95~135mmHg
最低 60~90mHg
血液量 57~65ml/kg

 

皮膚疾患

耳ダニ

家庭や学校で飼われているうさぎで、以前は良く見かけましたが最近ではずいぶん減りました。耳がおかしいと来院されると、かなり重症の場合が多く、他の病気の診察の際に見つかることもあります。

【症状】
うさぎを観察していると、頭を振ったり後肢で耳の付け根を掻いたり、痒がっていることがわかります。
進行すると外耳道から耳介内面にかけてゴツゴツとした付着物が見られ、ときには耳周辺の皮膚にも掻き壊してしまったための細菌性皮膚炎が見られることもあります。さらに症状が進行し、まれに中耳にまで炎症が波及することがありますが、内耳炎まで起こすことはないと言われています。まれにですが肛門付近にもダニが寄生する場合もあります。耳ダニは典型的な外観で、見ただけでの診断が可能です。痂皮を鏡検すればダニや卵が確認できます。

 

ノミとシラミ

飼われているうさぎでは、ノミもシラミもまれで、発見された場合はおそらく「ネコノミ」でしょう。通常はピレスロイドを用いて駆除するのが無難だと思います。新しいノミ駆除製剤として、フィプロニル製剤がありますが、スプレーは基剤のアルコールがうさぎに悪影響を与えるためおすすめできません。また、犬・猫用の有機リン酸やカーバメート剤は中毒の恐れがあるので、使用しない方がいいです。

 

呼吸器疾患

スナッフル

スナッフルというのは、鼻炎から副鼻腔炎・肺炎へと進行する伝染性の呼吸器疾患です。

【症状】 初期には鼻汁とくしゃみがみられ、単なる鼻炎から副鼻腔炎へと進めば鼻汁は次第に粘液性から膿性へと変化していきます。うさぎは不快感から前肢で鼻をこするので、前肢の内側の毛はごわごわになってしまいますし、もちろん鼻の周りもたいがい汚れています。病状の進行に伴い、咳も認められ、呼吸のたびにズーズー・グジュグジュという上部気道閉塞音が聞かれます。もともとこの閉塞音のことを『スナッフリング.ノイズ』というのです。

このように症状は見つけやすいものですから、早期の段階で治療を開始し、感染のまん延を防ぐ対策をすれば、決して死ぬような病気ではありません。ただし完治せず慢性化したり、無症状保菌者になってしまったりすることが少なくありません。
問題なのは“手遅れ”の場合で、 『たかが風邪』で放っておかれたために化膿性肺炎や胸膜炎(膿胸)に陥ったり、内耳や子宮など他臓器に感染が進行してしまうとひどく重症となり死亡率が高いものになってしまいます。

 

消化器疾患

コクシジウム症

スナッフルというのは、鼻炎から副鼻腔炎・肺炎へと進行する伝染性の呼吸器疾患です。 【症状】
[肝コクシジウム]
肝コクシジウムは主として子うさぎが発症し、発育遅延や体重減少が見られますが、下痢を引き起こすことは比較的少ないです。大量感染により4~8週齢の子うさぎの死亡がみられます。上腹部が腫大し、触診すると異常な硬さの大きなmass(腫大し硬化した肝臓)が認められ、同腹の子うさぎが順々に死亡します。剖検すると肝臓には腫大と膿蕩が認められます。肝コクシジウムになっても生き延びたうさぎは通常無症状に過ごし、剖検時に肝臓に後遺病変が認められることがあります。

[腸コクシジウム]
腸コクシジウムの症状はアイメリアの種類によって異なります。中にはほとんど下痢を見せず、体重減少程度の症状しかないものもあり、また軽度の下痢を呈するものから激しい下痢を生じるもの、さらに虚脱・死亡という転帰をたどるものまでさまざまです。この症状は個体の年齢や抵抗力の差、摂取したオーシスト数にもよりますが、それよりはほとんどアイメリアの種類によって決まります。下痢の著しい症例では、軟便または水様便から悪臭の強い緑褐色水様便へと進行していき、粘液・血液が混じることもあります。

 

胃内毛球症

獣医師が何かと悩まされる病気の一つです。毛球症は、猫では自ら嘔吐して大事に至ることはまずありませんが、うさぎは嘔吐できません。うさぎはこの病気で命を落とすこともあります。

【症状】
食欲不振や体重減少を認めますが、初めのうちは元気がよく活発に見えます。徐々に元気を失い、糞便の量が減少し、ついには排泄されなくなります。放置されれば、胃穿孔などを起こして急死する例もありますが、多くは1ヶ月ほどの経過の後に栄養失調のため死亡します。胃の中の毛球が幽門に詰まった時に症状が現れ、外れると症状が消失し、これを繰り返す症例がみられます。重度の幽門閉塞を起こすと、重度の沈うつ・胃内ガスの貯留・脱水・ショックなどが生じることもあります。
慢性的な毛球症に下部消化管の異常(盲腸便秘、盲腸の鼓脹、腸内細菌叢異常)が併発することも少なくありません。

 

神経疾患

斜頸

斜頸は首が片方に傾いてしまう症状であり病名ではありません。
斜頸は骨や筋肉の異常でも起こるので、神経の異常とばかりは限りませんが、うさぎの場合は圧倒的に神経症状としての斜頸が多くみられます。

【症状】
初めは小首を傾げるようなポーズにみえます。
首を反対に回してみると抵抗なく回ることで、頸椎や頸部の筋肉の異常ではないことがわかります。斜頸だけがみられる段階では、通常食欲の低下は伴いません。斜頸の症状の進行は遅い場合も速い場合もあって、進行の遅いケースでは斜頸がありながらも長期に渡って状態が悪化しないこともあります。しかし、進行が速い場合には斜頸に加えて、眼球が動くようになり、さらに体が回転(ローリング)するようになり、うさぎは自分で全身をコントロールすることができなくなり、飲食も困難になります。このため、放置されれば栄養失調により徐々に死に至るでしょう。

 

歯科疾患

切り歯の不正咬合

切歯のかみあわせが悪いと、正常に歯がすり減らないので、歯はとんでもない方向に向かって伸びていってしまいます。
これを不正校合による過長歯と呼びます。

【症状】
正常なかみあわせができなくなると、下顎の切歯が上顎の切歯の外方へ飛び出します。一旦食い違ってしまうと、後はそれぞれの切歯がそれぞれの方向に伸び続けていくようになります。上の歯は内にまくれ込むようにカーブして口腔の内側へ向かい、口唇や歯肉に食い込んだり、頬粘膜に突き当たったりして潰瘍になることがあります。沈潜により顎から頸、前胸部にかけて毛がいつも濡れていたり、そのあたりに皮膚炎がみられることがあります。食べるものを選り好みしているように見受けられたりすることもあり、放置すればやがて食事量が減少し、ついには食べなくなります。

 

骨折

うさぎの骨折の特徴

うさぎの骨は、大変軽くできています。
骨が軽いことと骨折の治癒が悪いこととは因果関係があるかどうかわかりません。
たとえば鳥の骨は非常に軽いですが、一般に骨折の治癒は速いと思います。
うさぎの骨折の治癒は大変遅く、これが我々獣医師の頭痛の種となるのです。
骨に分布する血管の量とか、骨の組成・カルシウム代謝などに治癒が遅い理由があるのだと思いますが、いずれにしろうさぎにとって骨折は致命的な損傷になることでしょう。つまり、骨折したうさぎは速く逃げられず、必然的に肉食動物の餌食になってしまいます。だから骨折が速く治ろうが治るまいが、もううさぎが骨折した時点で、一生の幕が下りるということなのではないでしょうか。それでも家族の一員であるうさぎには、この運命は通用しませんので、獣医師が悩むのはそこなのです。

参考文献:
「うさぎ学入門」斉藤久美子著 1997年インターズー発行